月刊「コロンブス」2009年11月号掲載
「自社のIT化を徹底して実践、パソコンで沖縄を元気にする」
名護宏雄社長はパソコン草創期の80年代に夫婦でパソコンショップを立ち上げた。当初はパソコンの販売とパソコン教室の運営で生計を立てていた。その後 順調に業績を伸ばし売り上げが5億円に達したという。が、パソコンブームが去り、家電量販店の県内進出などがかさなり、10年ほど前にパソコンショップを 廃業。現在はホームページの制作やネットワークの構築、システムの販売が主力事業になった。
業態を変更した当初は「まず自分たち自身が率先してIT化しなくてはいけない」と徹底してコンピュータを使ってペーパーレス化に取り組んだという。社内 から紙をなくすため、営業情報はもちろんのこと勤務管理や給与計算、振込みにいたるまで、そのすべてをコンピュータで処理したそうだ、給与明細書にいたっ ては本人にメールで送るというほど徹底したペーパーレス化をはかったという。事実、システムが完成し使ってみると一気に紙を使う量が減ったという。そこで名護社長はこのシステムを商品化することに。これまでにこのシステムは県内を代表するセメント製造会社、不動産情報を発行する新聞社関連会社など 数社に導入され、高い評価を得ている。この業績が認められ、昨年と今年2年連続で経済産業省の「中小企業IT経営力大賞IT経営実践認定企業」に選ばれ た。
オフィスワークをIT化した名護社長が次に考えているのはウェブ営業。「物品販売だけでなく、システム的にもインターネットを活用した営業関係を作り上げていきたい」と意気込む。 「ソフトメーカーのなかには東京、大阪進出を目指す企業も多いが、逆にわれわれは沖縄にこだわって、沖縄ならではのソフト開発とパソコンの普及を進めていきたい」と名護社長は熱く語る。 営業は足を使って情報を集め人の信頼を得るのが鉄則。はたして同社のウェブ営業はあらたなスタイルを生みだせるだろうか。その手腕に注目したい。 |