コロンブス1月号 掲載 2013年12月25日 発行
㈱コンピュータ沖縄
沖縄IT業界の草分けがさらに業容拡大時代のニーズの先読みが成長の秘訣
2013年11月、浦添市では『ITフェア2013』が開催された。期間中は全国からコンピューター関連メーカー25社が出展、来場者は2日間で約1000人という活況を見せた。このフェアを主催したのは㈱コンピュータ沖縄。県内でパソコン販売とコンピューターソフト開発を行う草分け的な企業であり、現在もそのリーダー的な存在として活躍している元気企業だ。
現在の会社組織は、行政営業部(地方公共団体と学校関係を担当)、法人営業部(企業など)、ウェブ事業部(個人向け商品販売など)を中心に6部門に分かれており、県内全域をカバーしている。とくに早くから市場開拓をすすめた行政・法人事業が好調で、官公庁や学校関係が売り上げの中心になっているという。なかでも電子黒板が主力商品になっている。『県内市町村の学校はすでに7~8割が導入しているが、そのうち6割くらいは当社が抑えている』と名護社長は胸を張る。
現在、力を入れているのは法人向けに開発した『工事日報Webシステム』。現場からダイレクトに会社に報告ができるため、建設関係を中心に10数社が導入している。また、東日本大震災の教訓から、データの分散保存のために同社のサーバーを提供するサービスも開始。こちらの利用者は観光関連会社など数社で、今後の需要増が見込まれるため、受け入れ態勢を拡充する方針だという。
個人向けのウェブ事業ではスマートフォンやタブレット端末の急速な普及に合わせ、『タブレット端末での商品販売やソフトサービスをウェブ上で行っている』そうだ。顧客との接点強化を目的にメールマガジンも発行しており、配信先は1000件以上に上っている。今後は『ビジネスの主力を個人・民間に変えていきたい』と名護社長はいう。
ところで、もともと同社の事業は『パソコン教室を備えた店舗兼ショールーム』からはじまったという。その後、時代とマーケットニーズの流れに合わせて、法人などのホームページの制作やネットワークの構築などを請け負うようになって成長を遂げ、現在のようなビジネスを展開するようになったそうだ。
名護社長曰く『IT環境はめまぐるしく変化していくから、時代の流れを先読みすることが大事だ』と。このフットワークの良さが元気の秘訣となっているようだ。